院長 大塚 和俊 先生
高松市內の中心部、高松市中央町に『大塚整形外科醫院』を2016年に開業された、院長の大塚和俊先生にお話を伺いました。
現在は副院長である、父からの継承ということになりますが、醫者になりなさいと言われたことはありませんでした。醫者という職業は素晴らしいということを間接的に受け取ったのでしょうね。
學生時代は外科を目指していましたが、整形外科での実習で動けなかった人が動けるようになるのを見て、患者さんの生活の質や機能を上げることに惹かれたというのがありました。
大塚先生は岡山大學醫學部を卒業され、栗林病院、Royal Adelaide Hospitalご留學を経て、1999年より香川県立中央病院で勤務されていました。その後2016年に開業された経緯を伺いました。
岡山大學の中でも実家の近くの基幹病院で働かせてもらっていましたが、いずれはここに、遅くとも50歳までには戻って來なければという思いがありました。ちょうど50歳の時に開業しました。中央病院では、脊椎外科を擔當してきました。開業すればおのずと手術から離れてしまうということに未練がなかったわけではないですが、逆にこの経験を活かしてクリニックを運営していこうと決めました。
開業してからも脊椎脊髄外科を基本として、脊椎病変に対応できるように、ブロック注射を行える施設を作りました。それに加えて筋肉をしっかりビルドアップするリハビリを中心にしていくことを考えました。整形外科は慢性疾患が多いですし、手術をしたとしてもすぐにリハビリをして回復するようにしていかなければなりませんから、その中で大事な筋肉強化に特化したリハビリをやっていこうと思いました。
広々とした空間に充実のリハビリテーション機器
待合室
大塚和俊先生が継承される前の大塚整形外科醫院は、現在のこちらの建物の隣にあります。大塚先生は2016年に院長になられた際に、こちらの建物を新築されました。
元々の醫院の隣の、こちらの土地を購入することになったのが開業への大きな一歩になりました。まず患者さんの利便性のために當初はこちらを駐車場にして、舊醫院の改築を考えました。同級生の1級建築士に設計をお願いしたのですが、シミュレーションした結果、改裝と新築で費用は変わらず新築することにしました。1階を駐車スペースにして、クリニック自體は2階から上という設計になりました。特に整形外科ですと歩行困難な患者さんもいらっしゃるので平屋が良いとは思いますが、その點はエレベーターを設置することで解消できています。
院內には診察室、処置室、レントゲン室、リハビリテーション室、ブロック治療室、手術室があります。検査機器としてはレントゲン室に設置している斷層撮影ができるレントゲン裝置や、超音波畫像診斷裝置などを備えています。
リハビリテーション室は3階全フロアを使った広々とした空間で、患者さんに快適な環境でリハビリテーション治療を受けていただけるよう明るさや清潔感にも配慮しています。
処置室
検査室(醫療用レントゲン)
開業してわかったことは、クリニックに來られる患者さんは痛みで困り、それを軽快してほしいと來院されているのだ、ということでした。疾患本態を的確に診斷することは當然重要ですが、その場で痛みをとることが求められていると痛感しました。手術を多く行っていた勤務醫時代とは考え方も変えなければならず、ある意味新鮮でした。注射?投薬などで、まずは痛みを軽減することを重要と考えています。リハビリもその一つで、患者さんの運動機能を回復させるだけではなく、痛みも和らげるための手段としてリハビリを活用しています。その後先述した筋力強化を行うことになります。例えばヘルニアのような痛みの強い疾患の場合は、投薬、注射などで痛みを軽減させ、並行してリハビリにて筋力強化を図ります。それでも癥狀が改善しなければブロック注射をし、それでもだめだったら手術しましょうかという、手術の手前で出來る保存治療の最大限を考えています。一番は筋力強化ですが、その時に痛みがあると鍛えにくいので、患者さんの痛みを様々な手段で緩和することを考えています。
大塚整形外科醫院 スタッフの皆様
受付
開院するにあたってスタッフには、患者さんを良い方向に導いていけるようなプロフェッショナルになってほしい旨を伝えました。インフォームド?コンセントや、シェアード?ディシジョン?メイキングなど、醫療者と患者さんがしっかり話し合って、どういう方向に進むのか決めていくのは大切ですが、それが行き過ぎて患者さんに全てが決めてもらおうというのはどうかと思います。スタッフには良い意味での昔ながらのパターナリズムの精神を基礎に醫療者としての矜持をもち、患者さんを導いていけるような存在となって欲しい。その思いは開業から3年経った今も変わりません。スタッフは大分実踐できてきていると思っています。今後も自己啓発を続け、切磋琢磨していってもらいたいです。
運動療法Ⅰは多くの患者さんに利用していただけるよう、予約制にしています。リハビリ室では5名の理學療法士を中心に、運動療法士の方々が活躍されています。
リハ室に並ぶ物理療法機器
3Dウォーターマッサージベッド「アクアキューブ」
運動療法の筋力強化に関わるマシン系がある一方で、ウォーターベッドや他の物理療法機器は癥狀を楽にしてあげるものですね。特にウォーターベッドは良いですね。このような患者さんを気持ちよくしてあげる機器もやはり大事だろうと思います。
運動療法を使う前に、物理療法で血流を良くして、痛みが取れれば関節も動かしやすくなります。痛みを上手く取り除いてあげる、ひとつの大きな手段ですね。またそういう機器があって、予算と場所があれば、目新しいものを取り入れていきたいとは思っています。
擔當者は、機器の調子が悪いとか、何かあった時の対応は早くしてくれるので助かっています。ここにいるとなかなか新しい情報を入れにくいので、色々と情報だけでも入れてくれるのは有り難いですね。
油圧式マシン(手前)と振動マシン(奧)
キッズスペース
大塚整形外科醫院
〒760-0007 香川県高松市中央町1-24
TEL 087-834-7611
大塚整形外科醫院外観(夕景)
日本メディックスができることの一つは、院長先生にはもちろん、現場スタッフさんへも情報を伝えていくことだと思っております。
今後、リハビリスタッフさん向けの勉強會を開催させていただく予定です。